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壁に縞々文様が顕れているのですが。

くらくら。
あら?体も縞々してる。
うーむ。
ベッドも縞々。珈琲カップも、鏡もレスポールも縞々。
変だね。
「律子、こっちに来なさい。」
「はい。」
「手を出しなさい。」
切断するしかない。
「何をするの。辞めて。」
中指を切り落とした。
「ううう…。」
「次は薬指だ。」
「もう辞めて。」
薬指を切り落とした。
「止血しないといけない。」
縞々の包帯で律子に手を巻き巻き。
「縞々について伺いたい。」
「何の事ですか。」
律子の目が見えないのを忘れていた。
「律子、今日服を一切来てはいけない。」
「…。」
「脱げというのだ。」
新聞に手を伸ばす。
縞々してよく読めない。
宜しくない。
切り落とした指を針山にいける。
緩い。
「耐えるのだ律子。」
左足を切断した。
縞々の包帯を巻き巻き。
縞々の布団から抜け出して
縞々の縞々たる所以を探したら、
所以などない事か解った。
それゆえに縞々。
縞々に。」
縞々の医師が聞き、
「はい。縞々に。」
縞々の患者が答える。
「その足はなんですか。」
「妻のものです。」
「そうですか。」
「どうしたらいいですか先生。」
「どうしようもありませんだって縞々ですから。」
縞々の医師はあてにならなかった。
縞々の車に乗り帰宅した。
「律子、左目だ。」
「安心しなさい。死ぬまで君の面倒はみよう。」
うむ。これでいい。
縞々のレスポールを破壊する。
縞々の洗濯機と縞々の電子レンジを破壊する。
うむうむ。気分がいい。
「律子、髪を切ろう。」
腰まである髪を斜めに切る。
右側は肩辺りの長さ、左にいけばいくほど長くなり、一番左の毛は切っていない。
夕暮れであり、部屋は頭痛がするくらい赤い。
その上烏(カラス)が鳴いているが、そのようなことはいい。
「さあ、サラダだ。たべなさい。」
「有難うございます。」
「味はどうだ。」
「美味しいです。」
うむうむ。
fの書く詩は不定形で良い。
素晴らしいのは言葉を配置するアートだ。