息をしない約束。

僕は彼女と、息をしない約束。
透明でふわふわしていて、息苦しくて気持ちいい。
死ぬまで約束を守るよ。
この部屋に空気を入れないで。
誰も入ってこないで。
二人だけにして。
僕と僕が互いに笑いあう光景は端から視たら不気味かもしれないけれど、
二人で彼女の特徴を息の続く限り言うよ。
息をしない約束。
蝉が五月蝿くても、魚が泳いでいても、髪が抜けても、息が止まっても。
死なないでみせるよ。
僕はゼッタイ、この部屋から出て、彼女の笑顔の両手に合いにいくよ。