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「僕は…何やってるんだ…………ここ2、3か月だけの話じゃなくて…今まで何やってきたんだろ…」 「女にも世間にも全く相手にされていない僕は」 「マンガを描くことで自分を正当化してきたわけだけれど…」 「そんなもん自分の勝手なルールを作りあげて自分を守ってるだけの奴じゃないか?」 「流行りものをバカにして自分を高みにおいたり……」 「例えば…髪を染めたりピアスをしている人間を『改造人間じゃん』と心の中でバカにして」 「自分はオシャレもしないで…」 「むしろオシャレをしないのがカッコイイんだぐらいに思ってて…」 「オシャレしてる人たちを『恋愛関係しか頭にないアホ人間グループ』と…バカにして……………してたクセに!」 「バカにしてたクセに…そのクセに…今風の髪を染めたオシャレでカワイイ頭の悪そうな女の子が目の前に現れたら」 「激しくメロメロになってしまったじゃないか!!」 「うっ…」 「う〜」 「ううう〜 「うっうっうっ」 「皆がうらやましかったのか…?」 「いや…そーだけど…そーじゃない」 「さびしかったんだ…」 「いろんな理屈並べて強がって…」 「本当は全然こらえられてなかったんだよ〜〜〜〜…」 「さびしかったんだよお〜〜〜〜〜!!」 「うわ〜」 「…すごくさびしかったんだ…………」 「う〜」 「うっうっうっ」 「うっ…」 「うーん」 「えーん」 「…ぐっ」
好んで読んでいた日記(id:blindfold)が無くなっている。
昨夜、友人と花火をし、そのまま連れ帰り昼頃まで一緒に眠り、友人の帰宅後も暗くなるまで眠り、眼が覚めたら裸だった。
家中の電気を豆球にし、薄暗い中で吐きそうになりながら食事を摂る。
そしていま電気をつけ、裸のままこういった内容のマンガを読んでいる。
現実世界から全く切り離されている。髪を金に染めた事で仕事はお仕舞い、パチンコ屋で働こうかしら、などと考えている。
主人公が好きになってしまった頭の悪い、今風の女はこののち、主人公と付き合い始め、主人公が悶々としている内に気持ちを切り替え、働きだす。
バカにしていい人間なんて誰一人居ない。
居るとするならば、バカにしてはいけない部分まで視ることが出来なかった自分くらいのものだ。