title:空間

ミツケタ。フレタ。
視認した分身が色彩を帯びて踊り狂い
景色に解け合う
踊りながら。分身に迷子。
緑色の七、透き通る十。
その中心へ消えていったであろう分身の軌跡を注視しつつ、時の戻らぬ事を、一つにならぬ事を痛切に思う。
体から離れた分身の速度に着いて行けなくなった私は床に俯せで寝た。
永遠に及ぶ時を寝ていたら、目の前に脚が見えて、顔を上げてみればそこに見えたのは私である。
私が私を背負っている。私の上に幾人もの私が取り付いている。取り付いた私が手を差し伸べている。
差し伸べられた手を採った私は私に取り憑いた。