自己嫌悪とは、例えば昼間とっさに行った言動について帰宅後、或いは就寝前などに後悔してのたうち回る、無い知識を振り絞って行った言動について、それに関する十分な知識を手に入れた後に後悔してのたうち回る、数年前の日記をみて羞恥の余りのたうち回る、といった趣のものであるが、ここで最も注意されるべきは、自己嫌悪以前の自らの精神状態と、自己嫌悪している自らの精神状態が全く異なったものである、という点であろう。自己嫌悪とは現在の自らを、当時の自らに貼付ける事が出来ないがゆえの事である、と言える。