好きな人が出来て、私は貴方の事が好きなのです。既に愛おしいのです。という様な事を告げる時、これが私は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが好きです。といったようなことと同様には他人に告げられない事の要因として、相手との関係を存続させたい、というような意志の存在が挙げられる。
そこには相手が自分を好きになる可能性と引き換えの、関係が途切れる、或いは不自然なものになってしまう可能性が存在しており、どちらかを天秤にかけた場合、非常に両者の均衡が不安定である、というような事実も存在している。
自分の事が好きな人間が好きだ、という立場も勿論存在するが、しかし、好きという表現よりも愛している、という表現の方が適切である、と断言出来る程に相手を慕っている場合、相手が自分と性的な関係を持つ意志の無い事を知ったことで、それによってのみ感情が薄くなる、という事は稀でなのである。