OverDoes

ベッドの上に自分を見付ける
眠ったのはいつかな
昨日かしら
一昨日かしら
それとも、いま生まれたのかしら
眼が覚めたら体には深い深い切り傷と酷い酷い火傷がたくさん
右手には眉剃り
左手にはライター
体の至る所には燃え尽きて灰になったトイレットペーパーと溶けた皮膚
体中に油を染み込ませたトイレットペーパーを巻いて、それから火を付けたんだわ
熱かったでしょう
苦しかったでしょう
でも覚えていないのだからあの子は他人だわ
仕方無いから右腕を切り落として隣人の、大切な大切な花壇に植えて、
左手は今夜のお食事にしましょう
お食事の前にはたくさんのたくさんのおくすりをのみこんで


ううん、死ぬつもりはないよ、消えるだけ、解るでしょ?
眼が覚めた時、あたしはあたしを覚えては居ないでしょう


また独り、あたしが生まれます


今度はどうやって自分を傷付けるのかな
多分、これ以上自分を傷付けるには独りじゃだめだわ
書き置きしておきましょう
「独りじゃいけません、誰かを愛しなさい。」
空堕はこれ以上傷付かない
心を傷付けなきゃ気持ちよくなれないわ
心から誰かを愛して、体に染み込んだ傷、恐怖されて
手さえ触れてもらえずに
あたしは堕ちて行きます
暗い暗い部屋で暗い暗い笑みを讃えて、
また独り、あたしが消えて生きます