「そうやってさ、自分の事が嫌いな自分を好きなんでしょ。結局、自分が愛しいだけやん。」
「ちがう…。」
「じゃあ何?説明してよ。あたしの事はどうでもいいんでしょ?」
「どうでもいいわけないやん…。」
関西弁を文にすると途端、恋空になってしまうけど、置いておいて、僕は後ろの席で、「違う、そうじゃない。自分のことが可愛い自分が嫌いなんでしょう。どちらが先か、後か、なんていうのは過ちだ。両方あって、君は彼が結局自分を好きなのだ、といって君自身と彼を傷付けたいだけなのだ。違うかい。」と割り込みたい衝動を抑えるのに必死だった。みんな無意識に自分と相手を傷付けてしまっている。少なくとも彼はもう疲れ果てていた。恋人が疲れていたら何をおいても味方してあげないとだめでしょう、そんなときに自分の事を持ち出すだなんて、というのは幻想かしら。