つらつらと、延々と書き連ねたけれど、病院の保護室で考えていたのはそんなことではない。
好きな人やものが多過ぎて、見放されてしまいそうだ、と椎名林檎は歌っていたけれど、僕も好きな人が多い。好きな人の、魅力の所以を考えるのが大好きだ。でもそういった類いの好きと、恋人に対する好き、は勿論別の感情であって、それは使い古された言い方をするならば、特別に好きである、すなわち特別な人であると思う、ということである。僕は自分から少し離れた位置で、自分としての自分に映る恋人の姿を見るのだけれど、ここに至っては、何も解らなくなりたい、と切実に思う。恋人の事を好きな自分を冷静に分析するだなんて醒めた事をしたくはない。そんなのはクレイジーですらないのだから。眼を覚ませ、眼を覚ませ、と思いながらクスリを適量、飲むのだ。